“ゼルビアと一緒に
まちをもっと好きになる”
地域とクラブがつくる、
これからの町田
更新日:2026.10.29
町田市役所笹本雄佐さん
FC町田ゼルビア野村卓也さん
町田市役所からFC町田ゼルビアへ出向し、日々奮闘している職員さんがいます。行政とFC町田ゼルビア、それぞれの力を掛け合わせ、市民が「参加してみたい」と思える企画を生み出し、時にはホームゲームの場を活用しながら地域とゼルビアをつないでいます。それぞれの強みを生かしながら「これからのまちだ」について考えていることを伺いました。
町田市役所
笹本雄佐(ゆうすけ)さん(写真左)
2025年4月よりFC町田ゼルビア地域振興部へ出向・派遣。町田市出身。地元のスポーツ少年団でサッカーに親しんだ経験あり。FC町田ゼルビア
野村卓也さん(写真右)
FC町田ゼルビアで地域振興を担当。南つくし野出身で生粋の町田っ子。笹本さんの働く地域振興部で共に働く。
「地域に愛される」
「日常にゼルビアがある」町田へ
ーーまずは、現在のお仕事内容について教えていただけますか?
笹本雄佐さん(以降笹本) まず地域振興部として、地域の方にゼルビアを知っていただきたい、という思いが第一にあります。行政から来ていることもあって、私のミッションとしては、町田市と一緒にまちの価値を高めていく、市民に対するサービスの質を向上させるということを目標に仕事をしています。
笹本 例えば行政が抱えている福祉などいろいろな課題を、ゼルビアの高い認知度を活かして、人が多く集まる試合会場、選手の皆さんも活用しながら、市の施策に合わせて、よりまちを好きになってもらう、ゼルビアを好きになってもらうという企画を行なっています。
ーー「ゼルビアを知ってもらう」だけではなくて、ゼルビアをきっかけに、「まちだそのもの」をもっと好きになってもらうということなんですね。具体的に、笹本さんが関わった企画にはどんなものがありますか?
笹本 8月からスタートした環境活動を行うとポイントがたまる「環境貢献型ポイント制度E-Coto(いーこと)アシスト」という企画を始めています。年間を通じて参加回数、ポイント数によってFC町田ゼルビアにちなんだ景品がもらえます。やはりゴミの問題は身近でとても大きな問題です。ゴミが大量に出ているのに分別されないとか、実際に町田市のバイオエネルギーセンターという焼却施設が火事になったりするなど問題があります。私と市の環境資源部(町田市役所にある行政組織の一つで、環境政策、自然環境の保護、ごみや資源物の収集・リサイクル、関連施設の管理・整備を担う部署)との間の話の中で、もっとより多くの方に環境に関する活動をしてもらいたい、参加してもらいたいねという話から広がってできた企画です。
ーー「環境活動に参加してみよう」と思ってもらうためのポイント制度という仕掛けなんですね。
笹本 そうですね。より活動に参加しやすくなったり、意欲を持ってもらえるような企画です。参加してポイントを貯めていただくと、ゼルビーとドーラくん(フットサルチームASVペスカドーラ町田のマスコット)とハスのん(町田市のエコキャラクター)バッグなどを差し上げます。
笹本 FC町田ゼルビアは、選手のポストカードや、15ポイントまで貯まればクリアファイル、キーホルダー、ポストカードなどをセットにしてプレゼントしようと。このポストカードは、この環境活動だけに特化したオリジナルにしようと考えています。
ーーこちらの企画は、市民のみ対象ですか?
笹本 町田市民の方をメインの対象とはしていますが、どなたでも参加できます。
Jリーグクラブだからこそ生まれる、
地域との接点
ーー普段は地域活動に参加する機会がなかった方も、ゼルビアの試合をきっかけに知ることができるのが大きなねらいとなりますね。
笹本 そうですね。実際に、ホームゲームの会場、町田GIONスタジアムを地域活動の場として活用することもあって、今年の夏は環境資源部が“マイボトルキャンペーン”というブースを出展しました。マイボトルを持参した方に冷水や麦茶を無料で給水して、その時に、E-Cotoアシストカードをお渡ししました。立ち寄っていただいた方に直接カードの趣旨を説明しながらお配りするという点は心がけています。
ーーこのホームゲームでの給水は、夏場とてもありがたかったという声が多かったですよね。
笹本 マイボトルを持参される方もかなり多くて、給水を待つ方で長蛇の列ができることもありました。こうした場所で多くの方に、環境活動のカードをお渡しすることができたのはよかったですね。
「参加してみたい」を生むために、
次の参加したくなる活動へ
ーー企画をつくることだけでなく、実際に市民の方に参加してもらう、知っていただく、というところはどのような工夫をされていますか?
笹本 昨年は“健康”というテーマで施策を行なっていて、その時もイベントに参加するとポイントが貯まるという形式だったのですが、都度お渡しするとか、希望された方だけにお渡しするという形になってしまい、なかなか広まらなかったという反省点があります。それを踏まえ、今年は年間でイベントを実施することを決め、先ほどお話しした、ホームゲームでの給水イベントでも来た方に全員配布しながら、ポイントカードのお知らせをするようにしています。
ーー任期は2年とお伺いしましたが、この期間を振り返って、特に印象に残っている出来事はありますか?
笹本 常に新しい発見はあるのですが、やっぱり現場に立って市民の声を聞くというのは、なかなか役所のデスクで仕事をしているとできないことだと思っています。例えば、市民意識調査とかアンケートもありますが、それだけではなく実際に市民の方が何に困っているのか、どういうことをやりたいのか、そういった生の声を聞くことって、実はあまりできなかったりするんです。
笹本 あと、これまでは専門的な部署にいると、その分野に関わることが中心で仕事をすることになりがちだったのですが、2年こちらで働いたことで、幅広く市内のいろんなところに関わって、いろんな方とお話しできたというのは、すごく自分の中でもいい財産になっているなと思います。
ーーやはり、現場で直接聞く市民の声というのは大きいんですね。
笹本 昨年取り組んだ、健康活動に参加してくれた方々と会話している中で、新しい企画を考えることに繋がった、ということもありました。すごく印象に残っていますね。“スタンプラリーにするといい”といった具体的な案や「こういうのがあるとまた参加したくなる」というすごく嬉しい声をいただいたりとか。そういうのは一個一個すごく嬉しいですね。
ーー活動に参加した方の声が、また次の「参加してみたい」につながりますね。
笹本 そうですね。積極的に前に出てきてくださる、エネルギッシュな方も多い印象ですね。
「行政とクラブチーム」
それぞれの強みを掛け合わせて
ーーここまでのお話を聞いていると、行政とクラブ、それぞれの立場や強みを掛け合わせることが、地域活動を広げるうえで大切なんだなと感じます。野村さんと笹本さんが一緒に仕事をする中で、仕事の進め方にも違いを感じますか?
野村卓也さん(以降野村) 僕らの方から一緒に仕事をさせてもらっていて感じるのは、個人としてのスキルが非常に高いので、助けられている部分が非常に多いということです。市の職員として培ってきた「ディフェンス力」が非常に高いなと感じています。我々としては勢いよく進んでいくのがクラブとしての特徴だったりもするんですけど、保険的な部分の重要性を再認識させてくれます。実際に活動をやったときに起こりうるポジティブな点、ネガティブな点まで想定して事前に準備して、僕の方に共有してくれますね。
ーークラブのスピード感と、行政の丁寧に進める力。それぞれの良さが組み合わさっているんですね。
笹本 役所の中では、スピード感よりも品質の方を重視されることが多いので、例えば同じ文章を何人もの目で見て精査することは当然やっていますし、それは自然と身についた部分です。一方で、スピード感という部分には当初苦労したところもありました(笑)。
ーーそれは、仕事の進むスピードについていくことへの難しさもあったということでしょうか?
笹本 スピード感を持って取り組む点はすごく大事だなと思いながら、もうちょっと想定しなきゃいけないリスクもあるのではと考えてしまって、なかなか踏み切れないなと思ったり、その葛藤です。
ーーそこは、どのように慣れていったのでしょうか?
笹本 慣れもそうですし、実際の活動をしながら“トライアンドエラー”を行っていくという考えが身につきました。エラーしても、次をフォローしていけばいいんだ、という考え方を、自分の失敗も含めて体感できたのがすごく自分としては大きな経験だったなと思います。ゼルビアに出向しているからこそ、役所の中にいたら気づけなかった部分もありますし、外から見て役所の良いところも見えたのがとてもよかったと思っています。
「ゼルビアがある日常」が、
町田の未来につながっていく
ーー市役所とタッグを組むことで、FC町田ゼルビアのホームタウン活動が、まちづくりや環境、福祉、健康づくりにも広がっているのがよく分かりました。
笹本 ゼルビアが、試合を見る場所だけではなく、地域の活動を知ったり、人とつながったりする場所にもなっていっています。そういうところは、FC町田ゼルビアだからこそできることなのかなと思います。
ーー今後、何か企画中のものはありますか?
笹本 町田市では、高齢者の見守り手帳を作る予定です。稲垣市長の公約にもなっている「高齢者の健康寿命を延ばす」という取組の一つです。高齢者の方々に、もっと健康に関心を持ってもらうための施策として、FC町田ゼルビアから運動プログラムを提供するなど、市とクラブが一緒に取り組んでいこうとしています。
ーー地域への貢献活動としての理想の形はどうお考えですか?
野村 市民の皆さんの認知度も約97%(町田市「スポーツに関する市民意識調査アンケート」2025年より)となり、クラブとして成長してきました。今後は、もっと人と地域をつなぐ役割を担えるよう、成長していかなければならないと日々感じていますね。町田市という公共の基盤があり、私たちも地域に根差した存在として、市と常に良好で、必要な連携ができる関係を築いていくことが大切だと思っています。私たちは「町田市」という行政組織だけを見ているのではなく、その先にいる市民の方々を見ています。市民サービスの向上に貢献し、「町田に住みたい、住み続けたい」と思ってもらえるまちづくりを、町田市と一緒に担っていくことが、私たちにとって重要な使命だと考えています。
ーー試合だけでなく、地域活動に来てくださるサポーターの方も本当に増えましたよね。
野村 ありがたいことに、試合会場で全力で応援し、勝利に向けて一緒に戦ってくださるだけでなく、まちを良くしていこうという活動にも協力してくださる方が多いことは、クラブにとって大きな強みです。まだまだ道半ばですが、その熱量を、まちの課題解決に向けて人々の行動を生み出す力にもっとつなげていきたいと考えています。
11月はホームゲーム4連戦、
12月6日は一足お先に初のクリスマス企画も
町田GIONスタジアムで応援しよう!


11月のリーグ戦は、ホームを舞台に4連戦。1日のガンバ大阪戦は「#ゼル推しDAY」。会場では推しグッズ作成ブースが出展したり、この日限定の選手たちが考えたスタグルが食べられたりと、イベント満載です。また、8日のサンフレッチェ広島戦では、来場者特典として、先着1万名にフラッグをプレゼント。今シーズンのスローガンを掲げながら応援しよう!


12月6日(日)のファジアーノ岡山戦では、クリスマスイベントを開催。今年のクリスマスはスタジアムで一足お先に味わいませんか?どんなイベントがあるかは公式HP、SNSでチェックしてくださいね。
