「まちだで好きを続ける」|町田市シティプロモーションサイト

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まちだではたらく

町田に来て受けた一番の衝撃は、
市民と行政がタッグを組んで
住みよい町づくりをしていること

更新日:2024.3.14

大関純平さん 訪問看護リハビリステーションヨリドコ
理学療法士

互助の精神が根付いた昔ながらの地域社会のような場所を築きたい。そんな思いから生まれたのが、小野路の古民家をリノベーションした複合施設「ヨリドコ小野路宿」です。運営しているのは、同じ町内にある「まちだ丘の上病院(愛称まちおか)」。病院は病気になったときに行く場所ですが、その敷居を取り払い、地域の人たちと交流を通して、健康に関することや介護などについて話を聞いたり、暮らし方や生き方を提案したり、地域のよりどころとなる場所をコンセプトに2020年秋、誕生しました。里山の自然豊かな敷地内には、イベントなどに使える「集会所」、小野路で採れた旬の野菜を楽しめる「kitchenとまりぎ」、そして、「訪問看護リハビリステーションヨリドコ」が備わっています。沖縄県出身の大関純平さんは、理学療法士として、2020年9月から「ヨリドコ」の一員に加わりました。

里山とカワセミのイラストがリハビリステーションの目印です。

「22歳のとき理学療法士の資格を取り、26歳までの4年間は福岡県久留米市の回復期リハビリテーション病院に勤めていました。退職後、フィリピンへ留学。その後、カンボジアやタイなど、アジアを巡り、オーストラリアにいる友人を訪ねた後、帰国。福岡市内で介護付き旅行会社の創業メンバーとして、高齢の方やひとりで旅行が難しい方の旅行支援を行い、5年間、働いた後、今度はマルタ共和国へ留学しました。マルタでは約1年、働いていたのですがちょうどコロナによるパンデミックがあり、2020年7月に帰国することに。仕事を探し始めたらすぐに、相模原でデイサービスを経営している理学療法士の知人から、『おもしろい場所があるけど、見学してみたら?』と言われて、見学させてもらったのが『ヨリドコ小野路宿』でした。施設を見たとき、“ここで働きたい!”と思い、そこからはトントン拍子。あっという間に決まり、9月から働き始めたのですが、マルタから帰国したばかりで、家具も家電も何も持っていない状態でしたから、それからが大変でした(笑)。すぐに引っ越し先を探し、見ず知らずのまちで新生活をスタートした、という状態でした」

「ヨリドコ小野路宿』を見学するまで、町田市の存在すら知らなかったという大関さん。移動手段もなければ土地勘もなく、とにかく職場とスーパーが近い、という条件をクリアした物件に引っ越します。

「多摩丘陵の原風景を残す小野路エリアは自然が豊かで、『ヨリドコ小野路宿』前の通りも趣があってすごくいい。沖縄出身ですし、九州や海外暮らしが長くて、小野路には今まで住んだことのない日本の雰囲気を感じましたね。ここでは“地域の方たちのよりどころになる場所”というコンセプトがあり、自分が今までやってきたことを活かすことができるんじゃないかなというワクワク感もありました。当時は楽しそうと思っただけですけど、今振り返ると、『ヨリドコ小野路宿』がもつコンテンツの魅力みたいなものも感じていたのかもしれません」

今まで関わってきた地域の中でも
町田はかなりエネルギッシュ!

大関さんが「ヨリドコ小野路宿」に来たばかりの頃は荒れ放題だったという裏山は、地元の有志の方たちと一緒に、少しずつ時間をかけて、管理の行き届いた美しい竹林に生まれ変わりました。現在は年に2回、そこで篠笛コンサートが開催されるほど。敷地内の菜園も、地域の有志の方が手入れをされていて、「kitchenとまりぎ」で使われていたり、訪ねてきた子どもたちや当法人の職員が収穫して持ち帰ったりしています。

「竹林の管理や菜園で野菜作りをしてくださる方がいるのもそうですが、町田に来て衝撃だったのは、市民団体の活動が活発なこと。この地域の自然が好きだったり、自分たちができることをやっていこうという、そういう方々がエネルギッシュに活動していて、なおかつ市役所など行政も一緒に取り組んでいる。そういう土地柄の雰囲気を感じたことです。『Dフレンズ町田』という認知症の人の居場所や活動の場を作る、独自の取り組みを実施している団体にも関わらせていただいているのですが、市役所とのコネクションも強いと思いました。職種の違いを乗り越えたり、違う事業所同士が集まり、町田市のために住みよい町づくりをしているんだなという印象はすごくありますね。ここまでエネルギッシュな町はなかなかないと思います」

kitchenとまりぎでも使われている、敷地の野菜。
有志の方が畑を手がけている。
竹やぶだった裏山は、散策もできるほど整備された美しい竹林に。

町田愛が強くて“間口が広い”
それも町田の魅力のひとつ

“なんでここまで市民の活動が盛んなんだろう”という素朴な疑問を抱いたという大関さん。過去に“福祉のまち”を築くための施策が行われていたことが大きい、と耳にしたこともあるそうですが、それとはまた別に、“間口の広さ”も感じたといいます。

「認知症の取り組みでも、これまで長年活動を行っている方々がいて、町田市と一緒に“認知症とともに生きるまち”をみんなで実現していく感じなんです。あくまでフラットな関係性の中で、関わる人たちが少しずつ、いいものを作っていこうという風土が根付いている印象を受けました。自分たちも参加しながら、自分たちが住んでいる地域で、みんなが気持ちよく生活できるようにしよう、みたいな“町田愛”も強いと思いました。それと、町田にはベッドタウンとしての要素もあるからかもしれませんが、新しい人たちを排除するということもなく、間口が広いというのでしょうか。もともと住んでいる人たちへのリスペクトもあるし、その中で自分たちが醸成したいまちを作っているという感じがします。僕自身も関わりたいと思う団体が多く、選択肢もたくさんあるなと。誰でも受け入れてくれる間口の広さがあり、地域に貢献したい人たちが自分の力を発揮できる場所がある。それは、町田の大きな魅力のひとつだと感じています」


Profile
「訪問看護リハビリステーションヨリドコ」に所属の理学療法士。利用者の自宅に訪問してリハビリテーションを提供。要支援者を対象とした総合事業、健康に関する情報誌の発行、利用者の方からの声で発足した「歩く会」などの運営にも携わる。心も体も健康になるリハビリテーション、をモットーに活動している。

ヨリドコ小野路宿
鎌倉街道の旧宿場町として栄えた町田市小野路町の中心地、宿通りにある、古民家をリノベーションした複合施設。地域の暮らしを医療で支える「訪問看護リバビリステーションヨリドコ」、カフェ「kitchenとまりぎ」、研修やイベント、ワークショップなどに貸し出しているスペース「集会所」などがある。広い敷地内には、蔵や竹林、菜園も。
東京都町田市小野路町892-1

TEL:042-860-5602
MAIL:info@hokan.yoridoko.com
HP:https://yoridoko.com/
@yoridoko_onojijuku
@yoridoko_onoji
撮影/金子怜史 文/小山まゆみ 構成/田中希
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