学生×市長、町田を語る
地域活動に参加する14名が参加
意見交換で見えた可能性
更新日:2025.08.21

地域と向き合い幅広く活動を続けるさがまちコンソーシアムのメンバー
(前列中央は石阪市長)
町田市が毎年開催している「市長と語る会」。今年度は、地域で活動する大学生たちが参加し、石阪丈一市長と活発な意見交換を行いました。参加したのは、「公益社団法人相模原・町田大学地域コンソーシアム」(以下、さがまちコンソーシアム)で活躍する学生9名と事務局職員5名。子ども支援やまちづくりなど、地域と向き合いながら活動を続けている学生の皆さんです。

「さがまちコンソーシアム」は、町田市・相模原市を生活圏とする大学、企業、行政、NPOなどが連携し、地域社会の魅力を高めることを目的とした組織です。学生たちは、それぞれの立場から地域課題に関わっています。
小中学生に学習支援
活動の中でも特に多くの学生が携わっているのが、小中学生向けの生活学習支援「まこちゃん教室」です。「まこちゃん教室」ではひとり親家庭等の小学校4年生から中学校3年生までを対象に無料で学びの場を提供しています。

(女子美術大学)
清さん「高校生と関わるために、小中学生の現場を知ることが必要だと感じました。まずは自分が楽しんで接することを大切にしています」

(青山学院大学)
今町さん「環境を整えることで、子どもが自信を持てる瞬間を作ることができます。その手応えを感じたとき、この活動の意義を実感しました」

(女子美術大学)
水野さん「やる気を引き出すのは本当に難しいです。こどもの好きな絵を描いて渡すなどの報酬に頼ってしまいがちですが、本来は自立を目指す場。そのバランスに悩むことがあります」

(女子美術大学)
秋山さん「中学生は目的があって通ってきますが、それを達成する手段が分からない子も多いです。そうした子に寄り添えるよう工夫しています」

(桜美林大学)
遠藤さん「中学生になると他人と比較されることにプレッシャーを感じているようです。プリントを小分けにして提示することで、成功体験を重ねることができるように心がけています」

(桜美林大学)
一色さん「私自身、子どものころに『こうしてほしかった』という経験が原動力になっています。だからこそ、『まこちゃん教室』のような場があることはとても大切だと思います」

(さがまちコンソーシアム事務局)
平山さん「まこちゃん教室の課外活動で2019年から続けている境川の清掃活動を通じて、確実にごみが減ってきていると実感しています。市民の意識の変化も感じます」
学生の活動を支える
事務局スタッフ
活動を行う学生のサポートも欠かせません。さがまちコンソーシアムの事務局は、企画立案から運営、広報、連携調整、施設管理まで幅広く担当し、大学・地域・行政の多様な関係者が協働するプロジェクトを支える要となっています。

(さがまちコンソーシアム事務局)
辻󠄀さん「私たちは活動の前後に情報共有や振り返りの時間を設けており、学生同士の意見交換や職員への相談機会を大切にしています」

(さがまちコンソーシアム事務局)
猪俣さん「人材育成や生涯学習の視点から地域に関わっていきたいです。町田の魅力をもっと多くの人に知ってもらえるよう発信していきたいです」

(さがまちコンソーシアム事務局)
松本さん「高校生への支援にも広げていきたいです。今は大学生中心の取り組みですが、もっと早い段階から地域とつながれる仕組みを作っていきたいです」
地元との違いから見えてきた
町田の魅力
さがまちコンソーシアムの活動に参加しているのは、主に町田市や相模原市にキャンパスを構える大学の学生たちです。大学進学を機に初めてこの地域を訪れたという学生も少なくありません。「町田初体験」の学生にとっても、活動を通して見えてきたまちの姿は大きな学びになっています。

(桜美林大学)
吉川さん「町田や相模原の文化を知るきっかけになりました。地元との違いを感じながら、地域の魅力を発見できています」

(桜美林大学)
西嶋さん「私はお酒が好きなので(笑)、駅前の“穴場”を探すのが楽しみです。でも、リス園のような自然もあって、そのギャップがいいと思います」

(さがまちコンソーシアム事務局)
青山さん「学生の時に取材活動を行って、原町田では“景観”、小山田桜台では“居場所づくり”と、地域ごとに大切にしていることが違っていることに気がつきました」
中学校の図書室で地域がつながる
多岐にわたる取り組み
「まこちゃん教室」と並ぶ代表的な取り組みのひとつに、自由に本の閲覧や自主学習等で利用できる地域利用施設「ここまちベース」があります。ここでは、市内在住、在勤、または在学している方を対象に展開されています。場所は町田第一中学校図書室。地域に開かれた学びの場を通じて、世代を超えてつながる取り組みとなっています。

(相模女子大学)
中川さん「もっと気軽に立ち寄れる場にしていきたいです。今は目的がないと入りづらい雰囲気があると感じています」
地域と関わる中で成長を
こうした学生たちの声に、市長も真剣に耳を傾けていました。

石阪市長「私は野鳥の会で30年間インストラクター活動をしており、子どもから高齢者まで様々な方を相手に話をする機会が多くありました。3時間あるので、つまらない話をするとみんな帰ってしまう。だから、興味を持ち続けてもらえるようにしっかり勉強し、念入りに準備をしました。一方、そのような様々な世代の方から『何を考えているのか』聞くことも、私にとってとても充実した時間でした。本日も皆さんのような若い世代の方が何を考えて活動しているのか直接聞くことができ、大変貴重な機会をいただくことができました」
学生からは「行政のチラシ制作に学生も関われませんか?」という質問もありました。
石阪市長「『さがまちコンソーシアム』を通じてなら可能性はあるかもしれません」
また、「職員のやる気について困ったことはありますか?」という質問もありました。
石阪市長「表情がすべてです。上司の表情で部下のやる気は変わります。だから私は、つらいときでも笑顔を心がけています」
「市長と語る会」は、学生と行政が垣根を越えて言葉を交わす貴重な時間となりました。まちと関わる中で、学生たちは大きく成長しています。その姿は、町田の未来を形づくる確かな一歩となっています。
