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更新日:2024.02.08

多文化クラブ「DANRO」 西田真美さん&小杉ルーシーさん

町田市の鶴川地域を中心に、多国籍、多文化のコミュニケーションがつながるようにと、親子クラブや日本語クラブなどを開いている多文化クラブ「DANRO」。ワークショップに伺い、どんな取り組みをしているのか、お話を聞きました。

この日は、鶴川団地センター名店街にある、お店を借りて「ミツロウラップ」を作ろうというワークショップを開催。お子さん連れの方がほとんどで、そばで子どもたちも遊びながら、ママたちは手を動かしつつ、おしゃべりも弾んでいました。
この日作った、ミツロウラップとは、布に蜜蝋というミツバチの巣からとれるロウを、染み込ませて作るラップ。繰り返し使えるエコなラップとして知られています。今回のワークショップで用いていたのは、南アフリカの“シュエシュエ(Shweshwe)”というとってもカラフルな布でした。

西田真美さん(以下西田さん)「今日使っている布は、一緒に活動しているルーシーさんの母国、レソト王国の伝統的な布なんですよ。レソト王国ってご存知ですか?南アフリカに周囲を囲まれた小さい国で、自然豊かな国です」

ルーシーさん「アフリカの布は、地域によっていろいろあるけれど、シュエシュエは、コットン100%の素材に幾何学模様のプリントが特徴です。この丸い模様は、私たちの目、目の中を表していると言われてるんですよ。スリーキャッツという3匹の猫のマークのメーカーが本物のシュエシュエなんです。洋服にしたり、小物に使ったり、インテリアファブリックとして使ったりと、なんでも使います」

シュエシュエというレソト王国の布。「身近なものから海外の文化を知り、関心をもつきっかけに」。
「メンバーのひとみさんのアイデアで、ミツロウラップを袋状に縫って使いやすくしてみました」
固形粒状のミツロウをアイロンで溶かして、布に染み込ませます。
溶けたロウを乾燥。色とりどりのシュエシュエが可愛い。
メンバーのかおりさんとルーシーさんで、チクチク針仕事。おやつを食べながらキッズたちも楽しそう。

この日も、参加していた方たちは、パートナーが外国の方だったり、外国とのつながりが多い仕事をしていたり、と外国文化に関心があるママたちでした。西田さんたちが、多文化交流を目指してDANROを始めたきっかけはなんだったのでしょう。

西田さん「子育て中にアメリカ、N.Y.に住んでいたことがあって、日本に戻ってきたときに、ご近所に住んでいたルーシーさんと出会ったんです。ルーシーさんが町田国際交流センターで日本語を勉強していたんですが、その先生と私が知り合いで、“鶴川に子どもがいて、英語でおしゃべりできる人がいる”って、ルーシーさんに紹介してくださったんですね。お互い子どもも小さかったですし、それから一緒に近所の子育てカフェに顔を出すようになったんです。ある時、ルーシーさんが、『他の外国人のママたちはどうしているのかな?』って言うんです。私もハッとして、誰でも来られる子育てカフェのはずなのに、もしかしたら来られる場所って知らない可能性もある?そもそもそういう情報すら知らないかもしれないって気づきました。私も海外の子育てで、地域のコミュニティに入るのに苦労した経験があるので、気持ちがよくわかって…。だったら気軽に来られる場所を自分たちでやってみようかって。勢いですよね(笑)」。

スタートしてしばらくしてコロナ禍になり、子どもを連れて行ける場所がなくなったときはオンラインで集まってみたり、児童館や公園でマスクをつけて距離をとりながら、それでもみんなどうにかして集まって、外国籍のママや、お子さんたちをお互いに見合いながら、やさしい日本語を使って、育児や日々のことをおしゃべりする場所を提供したそうです。まずは始めてみようという勢いから、2回、3回と続いて、ピクニックに行ってみたり、年中行事ごとの手作りワークショップをしてみたり、レソト王国の大使館に遠足に行ったりと活動の幅も広がっていったといいます。

西田さん「参加してくれたママたちから、アイデアをたくさんもらって、広がってきたことが多いですね。今日のミツロウラップも、メンバーのかおりさんが教えてくれたものです。日本語を使ってもっとコミュニケーションを取りたいという外国人ママの声から、『日本語クラブ』も定期的に始めました。日本語教師をしているメンバーがサポートをしながら、日本語を教える、というよりも、おしゃべりを楽しむ場所にしています。おしゃべりの中から生活の困りごとを聞いて、一緒に考えたりお手伝いできたらいいなと思っています。地域の日本人ママたちと一緒に子育てを楽しんでいる外国人ママたちはまだまだ少ないと思います。一緒に助け合って楽しめる場所を作れたらいいな」。

ほんの数時間の集まりでもおしゃべりするだけで、リフレッシュ。

2023年には、「まちカフェ!」という町田市内で活動するNPO法人や、地域活動団体の交流を深めるイベントにも出展。ますます、DANROの活動も広がっています。

西田さん「シュエシュエを使った手作り小物を販売したり、DANROを通じて知り合ったバングラデシュのママたちが作る本場のチャイを販売したりと、とっても楽しかったです」。

今、町田市には外国ルーツの家族が増えてきていること、学校でも日本語サポートが必要な子ども達が増えているが、みんながサポートを受けることができていないこと、違う文化、言語の中ストレスを感じている外国人ママ達がいるという現状を西田さんは教えてくれました。

西田さん「今後、子どもの成長によって、メンバーたちもライフステージが変わっていきますから、この活動の形も少しずつ変わってくるかもしれませんが、地域の外国人の皆さんが安心して生活できるように、同じ視線で支え合えるような関係作り、サポートを続けていけたらいいなと思っています」。

多文化クラブD A N R O
町田市鶴川近辺で行っている多文化クラブ。親子クラブや日本語クラブなど、外国人ファミリーと日本人ファミリーが気軽に、友だちになれる場所作りを行っている。S N Sでは市内の生活に欠かせない情報なども、やさしい日本語と英語で発信している。

@danro.cross.cultural.club
多文化クラブDANRO
撮影/金子怜史 構成/田中希
取材協力/みなさんの居場所ぼくはぼく  、プラスハートララパーティ
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