「まちだで好きを続ける」|町田市シティプロモーションサイト

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まちだでくらす

「生まれ育った玉川学園の街に
地域のみんなの『実家』を作る」から
スタート!

更新日:2023.07.14

いしかわちほさん Space Lana(スペース・ラナ)
〜みんなのおウチ〜代表

―玉川学園駅前の商店街を線路沿いに町田方面へ歩いていくと、なんとも味わい深いレトロな建物が現れました。脇の坂道から裏をのぞいてみると、3階部分に黄色いドアを発見!ここは2022年11月にオープンした、『Space Lana(スペース・ラナ)〜みんなのおウチ〜』。それぞれに子どもを持つ3人のお母さんたちが、『地域のみんなの実家になる』をコンセプトに始めた、こだわりの食材で手作りされたお惣菜やお弁当がいただけるコミュニティスペースです。今回は、代表を務めるいしかわちほさんにお話を伺いました。

「私はもともと、玉川学園なかよし公園で活動している『冒険遊び場おむすび&おむすび食堂』(通称:おむすび)の代表を務めていました。『おむすび』は、自然豊かな公園で子どもたちを遊ばせながらおにぎりなどの軽食を無料で提供するという、いわゆる「こども食堂」的な活動だったのですが、食べ物を提供していくには営業許可のある店舗が必要ということになって…。それで本当にたまたま、ご縁があってこの物件に巡り合いました」

―理想的な物件との運命的な出会いから半年。助成金集めに奔走しながらもバタバタと内装工事を進め、ついに『スペース・ラナ〜みんなのおウチ〜』がオープンします。

「資金準備もできてないのに、走り出してしまって(笑)。でもきっと何とかなるだろうって思っていました。契約の決め手はこの広々としたこのテラスでしたね。ワークショップやイベントなど、地域活動の拠点にできるんじゃないかと思って。自分たちで好きに改装できることも大きかったです。最初はトイレなんかとてもワイルドで(笑)。友だちの手を借りながら自分たちで部屋中をリノベーションしました。食事を提供するということは決めていたので、キッチンだけは、いちから造りましたね。まずは働くお母さんたちのために夕飯のお惣菜を販売したかったんです」

この日の日替わりランチは具だくさん春巻き、じゃことセロリのわかめサラダ、豚コマとほうれん草の胡麻醤油和え、酵素玄米。イートインもテイクアウトも可能。
予約をいただいた夜のお惣菜を取り分けるいしかわさん。お惣菜は一人前200円台から販売しています。

我が子だけでなく隣の子も地域の子も健康に育ってほしいー
これは私たち3人の共通の思いです

―スペース・ラナを運営しているのは、いしかわちほさんに加え、やまうちあさこさん、やじまさちえさんの計3人。それぞれが小学生以上の複数のお子さんを持ち、町田市で子育てをしながら保育園や幼稚園で補助教員として働いています。そして、おのおの仕事が終わるとスペース・ラナへ。

「私たちが子どもを幼稚園や保育園に通わせながら感じていたのは、とにかくお母さんたちは忙しい!ということでした。昼間働いて、仕事が終わったら子供たちを保育園に迎えに行って、連れて帰って、そこから晩ご飯作って…っていう。で、翌朝はまたバタバタと準備…のループですよね。そこで、夕飯を用意する時間がちょっとでも減ったら、子どもと向き合う時間に充てられるんじゃないかなと思って。そこで、夕飯用のお惣菜の販売から始めました。保育園の帰りに『今日は何かある〜?』と気軽に寄ってもらえる“実家“のような存在を目指して。何なら人手があれば駅まで届けてあげたりとか、忙しいお母さんたちにそういうサポートの仕方ができたらいいなって」

―実際、取材中にも保育園帰りのお子さんを連れたママが『こんにちはー。お惣菜、何かあります?』と訪れ、栄養たっぷりのサラダをテイクアウトして帰りました。これはママさんたち、ありがたいに違いありません!しかもラナのお惣菜たちには、食材はできるだけ無農薬で作られたものを使い、電気は使わず火で調理するといったこだわりがあります。

「当たり前のことですが、食べたもので身体が作られるので、できるだけ不要なものを子どもの身体に入れたくないな…と思って子育てをしてきました。それはお店で出す食事に対しても同じ思いです。隣の子ども、地域の子ども、みんなに健康でいて欲しいですから。それは私たち3人の共通した思いなんですね。だからお米は鍋で炊き、野菜なども丹精込めて作ってくれた人の顔がわかるような、安全なものを選んでいます。近所の家庭菜園で作られた野菜を差し入れしてくださる方もいて、本当にありがたいんですよ」

キッチンではやじまさんとやまうちさん、やまうちさんのご子息しょうたろう君と楽しげに作業中。しょうたろう君は、なんとスイーツ担当シェフ!
しょうたろうくんが作った『抹茶チーズケーキタルト』。とっても美味しそう!

忙しいお母さんたちに
「このまちで子育てできて良かったな」と
思ってもらえるまちにしたい

―オープンから半年。これまで大々的に宣伝をしたりチラシを作ったりすることなく、口コミだけで広がっていったこのお店ですが、すでに地域の人々に受け入れられ、多くの人から愛されています。

「私自身、小学校の頃からずっと町田市で育ちました。父の仕事の関係で高校時代はアメリカで過ごしましたが、その後もずっと玉川学園に暮らしています。ほどよく田舎で、ほどよく何でも揃うこのまちが大好き。この地で祖母の介護をし、父を看病して看取り…という経験をした中で、地域の色々な方に本当に助けられました。高齢者支援センターの方々、ご近所の方々の支えがあって、子育てをしながらなんとか乗り越えることができたんです。子どもの手が少し離れたいま、今度は私が地域に恩返しがしたいと思っています。『このまちに住んで良かったな』、『このまちで子育てできて良かったな』って思ってもらえるような、そんなまちづくりのお手伝いができたらうれしいですね。今後の構想も盛りだくさんです! 手仕事やヨガなどのワークショップも増やしていきたいですし、夏祭りのときにはテラスを地域交流の場として自由に使ってもらえたらいいなとか。そしてゆくゆくは、放課後に子どもだけでふらりと寄って、地域のお友だちとトランプしながら軽食も食べられるような、“駄菓子屋さん”みたいな場所にしたいですね。大人たちのドネーションで子どもたちが気軽にお腹も心も満たせるような。それから、高齢の方々にも喜んでいただけるように、お弁当のサービスなんかもできたらいいなと思っています。このまちは人が本当に温かい。『おむすび』の活動を始めてから色々な方と出会いましたが、それぞれが人を放っておかない、困っている人を取りこぼさないようにしようという温かさが町田市の良さかなって思います。“食”はみんなに関わることなので、私は“食”を通じて地域の人と人のご縁を結んでいきたいですね」

スペース・ラナを運営している3人と、この日のワークショップの先生と参加者さんで記念に。
この日は、マクラメワークショップが開催されていました。先生に教わりながらオリジナルのブレスレットなどを制作。
やまうちさんが手にしているのは、先日行われた藁細工のワークショップで作った鍋敷き。みなさん藁をなうところから始めたそう。
お出かけするしょうたろうくんを見送るやじまさん。「こんなふうに、地域全体で子育てができたら理想的ですよね」と笑う。
建物3階の黄色いドアが目印。上がってくるのが大変なお年寄りやベビーカー持ちの方は、ひと声かけてくださいとのこと。
PROFILE
町田市出身。3人の子どもを育てながら、幼稚園の補助教員としても働くママ。 現在は、幼稚園バスドライバーの仕事を終えてからラナでランチの仕込みをする日々。
Space Lana(スペース・ラナ)〜みんなのおウチ〜
住所:町田市玉川学園7-1-9 細野ビル302
TEL:080-6104-3489
営業日やお弁当の予約などは、Instagramをご確認ください
@space.lana.2022
営業時間:11:00〜14:00 16:30〜19:00
撮影/松村隆史 取材・文/大﨑仁美 構成/田中 希

記事の内容は、取材時点です。
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