一家にひとつモルックセットを!
プロを目指す小学生に感動、世界の舞台へ
更新日:2024.09.12
和光大学 モルックサークル 千葉ゼミ 千葉真光さん/田中佑樹さん
木製のスティック(モルック)を投げて、スキットルと呼ばれるピンに当て、50点ぴったりを目指すフィンランド発祥のスポーツ、モルック。2024年の春に和光大学に誕生したモルックサークル『千葉ゼミ』(1年生6名、2年生3名、4年生13名)では、8月に開催された『世界大会2024in函館』に4名のメンバーが出場するなど、活躍の場を広げています。地域やたくさんの人々にモルックを広めたいという思いで活動を続ける『千葉ゼミ』の千葉真光さんと田中佑樹さんに、モルックのおもしろさや今後の展望などについてお聞きしました。
老若男女で楽しめるのが
モルックの大きな魅力
全国大会や交流イベントなども開催され、日本でも興味を持つ人々が増えているモルックですが、おふたりはどのような経緯でモルックを知ったのですか。
千葉さん(以下、敬称略)「大学3年のときに、大学の英語の先生から、『今度、等々力にある川崎フロンターレのスタジアム前で、モルックの体験会があるよ。サポーターの人たちが試合前に参加していて、誰でも気軽に参加できるから、行ってみたらどう?』と誘われたのが最初でした。モルックのことはまったく知らなかったのですが、「行きます!」と言って、実際に参加してみると、意外とおもしろくて。それが2023年10月のことです。そのとき参加者の方から『2024年には、初めて日本で世界大会が開催されるよ、モルックはまだマイナーだから、誰にでもチャンスがある』と教えてもらいました。それがきっかけとなり、大学の友だちと残り一年半の大学生活で最後の思い出を作ろうと、モルックを始めました」
田中さん(以下、敬称略)「モルック自体はYouTubeで知っていたのですが、千葉くんに誘われて、自分もぜひ参加したいと思い、始めました。早い段階で千葉くんから『大きな目標として、世界大会に出場したい』と聞いていたので、それに向けて今の自分に何ができるかを考えながら、日々の練習に取り組んでいます」
モルックの楽しさとは、どのようなところにありますか?
千葉「年齢や性別に関係なく、誰でも楽しめるユニバーサルスポーツである点ですね。難しいルールはなく、ただスキットルを投げるだけ。でも、そのシンプルさの中に戦略的な要素が詰まっていて、奥深いんです。モルックを始めたことで、普段なら出会うことのないような人たちと出会い、一緒に楽しめることも大きな魅力です。世界大会まで半年ほどしかなかったので、練習会や大会に参加するたびに、先輩方に『どうすればうまくなるんですか』と質問したり、投げ方を見て学び、マネしてみたり。大会で腕試しをしつつ、授業の空きコマがあったら練習に励む、そんな半年間でした」
田中「モルックは、年齢を問わず、老若男女のプレーヤーが楽しんでいます。家族で小さな子どもと一緒に参加している人も多く、そういった光景を見るたび、誰もが一緒に楽しめるところが、モルックの大きな魅力だと感じます」
おふたりは今までどんなスポーツをされていたのですか?
千葉「僕は小4から高校までずっとサッカーを続けていましたが、けがが多く、大学では思い切りプレーできないと判断して、小学生の指導者に転向しました。プロの選手を目指して、がむしゃらに頑張っている子どもたちを見ているうち、自分も何か新しいことに挑戦したいなという気持ちが湧いたんですよね。そのタイミングでモルックと出合い、それが自然とうまくつながった気がしています」
田中「僕は小中高とテニスを続けたのですが、高3のときにコロナの緊急事態宣言が出て、引退試合を含め、ほとんどの活動ができなくなってしまいました。その後、大学受験に備えてテニスをスパッとやめ、大学に入ってからもコロナの影響で、講義もオンラインになり、サークル活動もできず、3年間はスポーツとは無縁の生活をしていました」
モルックの楽しさを継承したくて
サークルを立ち上げた
2024年4月にモルックのサークルを立ち上げたそうですが、どのようなきっかけからですか?
千葉「まず、モルック仲間を増やしたいという気持ちがありました。ただ、正直なところ、4年生になるので、自分の友だちと楽しめればそれでいいかなとも思っていたんです。でも、練習会に参加したり、僕自身がモルックを知ったきっかけを振り返ったりするうちに、モルックはこれからもっとメジャーになる予感がしてきました。後輩たちにモルックの楽しさを受け継いでもらえたら、僕たちが感じている情熱を維持しつつ、さらに多くの人と一緒に楽しめる機会や選択肢が増えるのではないかと思い、サークル化を決断しました」
サークルではどのような活動をしていますか?
千葉「放課後に練習をして、土日は大会に出場することが多いですね。各地で頻繁に大会が開催されるので、サークル内で出場者を募り、集まったメンバーでチームを組んで参加しています。大会は、武蔵小杉近くの丸子橋の河川敷や公園などでよく行われています」
世界大会に出場!
卒業後もモルックを続け、広めたい
世界大会に向けて、おふたりの抱負をお聞かせください。
千葉「この半年間、練習を積み重ねて準備してきたので、目標はもちろん優勝です。こんな大学生もいるんだということを知ってもらいたいですし、大学だけでなく、地域でも存在感を示していけたらと思っています。今は何よりも、結果を残したいですね」
田中「決勝トーナメントに進んで、上位に入るような結果を残したいと思っています。ただ参加して終わりではなく、得るものをしっかり得て、その結果が形となってあらわれて欲しいと強く願っています」
世界大会後の目標はありますか?
千葉「2024年11月には学生の全国大会が予定されています。東と西に分かれ、それぞれの地区のチャンピオンが対決するので、目指すのはもちろん王者の座です。そして、結果を残すことでモルックの認知度を高め、さらにモルックを広めていけたらと思っています。個人的には、一家にひとつ、モルックセットがあって欲しいと思っているんですよ(笑)。サッカーボールを持って、家族で公園に遊びに行くのと同じような感覚で、モルックに親しんでもらえたらなと」
田中「学祭での出店を考えているので、そういった場を通じて、モルックの輪を広げていきたいと思っています。競技人口を増やし、日本でもモルックがもっとメジャーになればと思っています」
卒業後の展望はありますか?
千葉「社会人になってもモルックを広める活動を続け、プレーヤーとしても頂点を目指したいと思ってます。そして、日本人に限らず、すべての国の人々にモルックの楽しさを伝えたい。自分がモルックのトッププレーヤーの一人として認められるようになれば、それは大きな価値があると信じています。最終的な目標は、その頂点に立つことです」
田中「大学卒業までにいくつかの大会が控えているため、優勝を目指して経験を積み、その成果をもって卒業を迎えたいと思っています。福祉系の職に就くことが決まっているので、障がいのある方向けの施設や高齢者用の施設でも、モルックの輪を広げたいと考えています」
都心に行くより、町田が落ち着く!
飲み会も、もちろん町田で
11月下旬に「まちカフェ!」に出店予定だそうですが、どんな企画を考えていますか?
千葉「詳細はまだ決まっていませんが、町田市のユニバーサルスポーツ団体と一緒に、ユニバーサルスポーツの体験会のようなものを企画しています。基本ルールは氷上のカーリングと同じで、体育館などでもできる陸のカーリング、「ユニカール」や、「ボッチャ」などの団体さんに協力をお願いしながら、たくさんの方にモルックを体験してもらえたらなと思っています」
大学生のおふたりにとって、町田はどんなまちでしょう?
千葉「高校時代は町田を乗り換え駅に使っていたので、親しみがあります。浪人時代には町田にある予備校に通っていましたし、なじみのあるまちですね。僕は新宿など都心に行くよりも、町田で落ち着いちゃいます。遊びに行くなら町田が便利だし、友だちとご飯を食べるときも町田が多い。よく行く店は、『地中海料理コシード』です。町田にはいろいろな飲食店があって、楽しんでいます。人が多い都心よりも、僕には町田がちょうどいい(笑)」
田中「僕は湘南方面の高校に通っていたので、町田と縁ができたのは大学からですが、やっぱり遊ぶとなると町田に行くことが多いですね。お気に入りの場所は、ラウンドワンです。飲み会もほとんど町田ですね」
最後に、町田市のロゴマーク「いいことふくらむまちだ」の前に、お二人の言葉を入れてください。
千葉「『挑戦で、いいことふくらむまちだ』です!」
田中「『モルックで、いいことふくらむまちだ』はどうでしょうか!」
Information
和光大学大学祭でモルック体験会開催
和光大学の大学祭でモルック体験会が開催されます。高得点を記録すると豪華な景品がプレゼントされるほか、参加者には参加賞も贈られます。会場には世界大会に出場した選手と対戦できるブースも用意される予定です。モルックを体験してみたい方は、ぜひ会場に足を運んでみてください! 詳細は和光大学のホームページまで。開催日
2024年11月9日(土)・10日(日)
HP https://www.wako.ac.jp/