大悟選手の今を作りあげてきた
屋久島でのこと、仲間のこと。そして
応援してくれるファン・サポーターへの思い
更新日:2025.06.13

髙橋大悟選手
2025年シーズン、大分トリニータへのレンタル移籍からFC町田ゼルビアへ復帰した髙橋大悟選手。所属してきた各チームでファン・サポーターから愛されてきた秘密や、プライベートを紐解きます。以前、チームに加入したばかりの昌子選手にインタビューした際、「大悟、うまいよな」「ファンともタメ口で話してて。人気あるのわかるわ」と大悟選手の印象を伝えてくれていました。なのにご本人にいざ話を聞くと「いい話とか何もないっすよ!」と照れなのか、わざとふざけてみせる大悟選手。インタビュー時はベンチ入りが続くも出場機会がなかなかない頃で、どんなことを考えながらプレーしているのか、ファンやサポーターとのことなど、じっくり伺いました。
ファンやサポーターと
気さくな交流をしてくれるその真意

――お誕生日を迎えて26歳になられたんですよね。ファンサービスの時にもたくさんプレゼント頂いていました。
はい。26歳にもなり、ファンの方達からお誕生日プレゼントもたくさんもらって嬉しかったです。当日、ちょうどファンサの日だったから。ありがたかったです。
――大悟選手は、ファンたちに優しく接してくださいますよね。優しくというか、気さくに話しかけてくれたり。
そうですか?僕にとっては、普通ですね。普通の普通。友達みんなそんな感覚です。(うーん…とちょっと考えて) いや逆ですね。みんな俺のこと友達と思って接してるでしょ?!俺はそんな風に思ってくれてる方が嬉しいんですよね。
――周りにはいつも、小さい頃からお友達が多かったんじゃないですか?
友達といる時間は好きだし、友達多いですね。男女問わず。人見知りもしないかというと、そんなことないです実は、はい。こう見えて、はい。人見知りです。意外と。てかそんなこと聞かれるの!?
――色々聞きたいと思います(笑)大悟選手を親戚のような気持ちで応援しているファンが多いと思うんですが、そのあたりどう思っていますか?
それは感じるっすね。もう息子だ、娘だの感じですよね。娘じゃないか、すみません(笑)。俺あんまりペコペコしないじゃないですか。逆に気を遣いませんか?友達感覚ですね。別に裏表見せる必要がないっていうか。嫌なときは嫌ですし。スカした感じとかするつもりもないし、普段通りで接してます。普通です。普通。それに、そっちの方が嬉しいじゃないですか。俺もそう思うから。皆さんの前だけかっこつけてもね。それが俺だなって、応援してもらえたら嬉しいなって思います。多分、いまでもそう思ってもらえてると思うし。それがいいかなと思ってます。
勝ち負けの世界でも、仲間やチームのために汗をかける
大悟選手はどんな思いで試合に臨んでいるのか

――清水エスパルスとの試合(5月11日第16節)沼田駿也(たかや)選手が出たとき、同じくベンチ入りしていた大悟選手がすごく喜んで、「行け!」って感じで送り出していましたけど、あのシーンはどんな思いだったんですか?
そんなとこ見てんすか!試合見た方がいいっすよ(笑)。やっぱり、駿也は同い年だしね。今年一緒に帰ってきたのもあるし。特別な感情がありますよ。
――そういうシーンも込みで、チームを熱く応援することに繋がると。そんなチーム思い、仲間思いっていうところを体現しているのが大悟選手かなと思っているのですが、長くサッカー界で勝ち負けの世界にいて、どうしてそういう行動取れるのでしょうか?
町田とは、ちょっと離れちゃうかもしれないですけど、屋久島で育っているので、それこそ物心もつかないときから一緒にいる同級生とか年上の人たちとサッカーやったり、遊んだりしてた環境で育ったんです。でも島育ちって、小学生ぐらいの時って島のチームが全然有名じゃないとか、 “島からきたー”みたいなこと言われたり、そういうことで、僕らは悔しい思いをしながら生きてきたんですよ。そういうのもあったから、家族みたいに育ったそいつらとみんなで頑張るしか、評価される、上にいく方法がなかった。そんな環境での育ちが、考え方の“元”にあるのかなと思ってます。サッカーとかは関係無くね。
――島だと人数も少ないし、縦の繋がりとかすごくあるんですよね。
お父さんたちもそうだし、お父さんたちがかわいがっていた人たちから、俺らもかわいがってもらって、その人たちの子どもができたら、また俺たちがかわいがって…っていう流れで。僕の原点はやっぱそこです。
――屋久島のコミュニティのあり方が、大悟選手の人との接し方のスタンスに与える影響が大きかったってことですね。
上に立つかっこいい人たちがいましたね。自分の立場とか環境を顧みず、人のために、仲間のために行動できた方がかっこいいし、人はついてくるのかなって思ってて。あくまで俺の中の理想の“漢(おとこ)”像ですけどね。周りにいた尊敬する人たちもそんな“漢”たちばっかりで、俺がサッカー辞めた後も、そういう“漢”にはなりたいなと思って生きてます。育てられ方もあると思うので、親にも感謝してますよ。
――以前、中島裕希選手と芦部晃生選手が出場して(2024年7月21日第24節 横浜FM戦)Xでつぶやいたときも、どんな心境だったんですか?

泣きましたもん。俺が最後だったし…。大分に行く前で。
――これまでプレーした中で、思い出深いゴールはいつのものでしょうか?
町田で言ったら、J2からJ1へ昇格が決まった、熊本戦(2023年10月22日第39節・6試合ぶりのスタメン起用)かな。あとは、エスパ戦(2023年8月19日第31節・開始4分でゴール)のときに決めたゴールももちろん嬉しかった。高校卒業後にエスパで活躍しようと思ってやってきたから、対戦相手だったけど、あのピッチに立って点を決めた時も感慨深かった。
――昇格がかかっていた熊本戦でのゴールはどんな思いがありましたか?
あの年はそこに至るまでに、みんなたくさん苦労してきたから。俺だけじゃなくて、出てない選手みんな。これでJ1決まるっていう試合に、久々に出場して、俺が出ることでそういう選手たちも、正直100%報われるわけではないけど、少しは報われるんじゃないかって思っていて。なんていうか、個人勝負の世界ではあるけど、仲のいいやつが試合に出ることで、俺も100%報われるように、できるだけ感情的な部分で近づけていきたいなと考えてるんですよね。そういう思いもあったから、やっぱり熊本かな、一番は。
――サッカーを応援する側って自分達がプレーしているわけではないのに、選手たちの活躍でみんながワーッと熱くなれるって、不思議ではあると思うのですが、選手としては応援ってどう捉えていますか?
すごいことだと思います。何だろう。俺はその感覚があんまりなかったから。もちろん、友達の頑張りで嬉しい、っていうことはありますよ。他人が頑張ったことで、心の底からみんなが喜んでくれることって、ほんとすごいことだな、ありがたいことだな、と思います。だからこそ、最初に戻りますけど、応援してくれる皆さんには“普通”でいようって思ってるんです。
髙橋軍団や仲良しの選手の
交流の裏側をちょこっと深堀り
――2024年まで在籍していたチャン・ミンギュ選手(現・韓国済州S K F C)や、松井蓮之(れんじ)選手(現・ベガルタ仙台)など、SNSなどのやりとりが楽しそうです。
けなし合ってるだけですよ(笑)。そのやりとりを見て楽しんでもらえているならよかったです。サポーターが引くようなミンギュの激ヤバな写真とか出しますよ!
――チームメイトで仲良くしているのは、髙橋軍団?白崎軍団ですか?
駿也、しらくん(白崎凌兵選手)は付き合いが長いので、あとは新井栄聡(よしあき)かな。エスパの1年目が一緒なんです。髙橋軍団だと、奈良坂巧と仲良くしてます(笑)。
――髙橋軍団と白崎軍団の構造ってどうなっているんですか?
白崎軍団と系列は一緒かなっていう。白崎軍団の中の、支部みたいなもの。ただね小さくないですよ!大きい支部です(笑)。
大悟選手のプライベートに一問一答!


――町田っていう地域についてお伺いします。町田は遊びに行かれますか?
行きますよ。ご飯食べに行ったりとか。
――町田ってどんな町?一言で言うと?
あの仲見世商店街の雰囲気とか、レトロな感じはすごく好きです。
――お買い物は町田でしますか?
それ秘密です。プライベートNGで。嘘です(笑)
――好きなブランドは?ちなみに今日着ているお洋服は?
洋服はブランドものより、H&Mとかセレクトショップが好きですね。
――今朝聞いた音楽は何ですか?
King Gnu「TWILIGHT!!!」。名探偵コナンの映画の主題歌ですね。今鬼聞きしてます。
――苦手な食べ物は?
混ざってるご飯が好きじゃなくて、ご飯とおかずは別で食べたい派。おひたしみたいな、汁に浸かってる野菜もちょっと苦手。
――大悟選手が大好きな『名探偵コナン』の中で好きなキャラは?
コナンの話をしたら3時間はかかるのでやめましょう(笑)みんなに迷惑かかるんで(笑)
――小さい頃、なりたかった職業は?
もしサッカー選手じゃなかったら、何だろうな、中学生のときはいっぱいあったけどちっちゃいときは消防士。お父さんが消防士です。俺、両津勘吉(漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公)が好きなんです。両津勘吉が憧れの“漢”。かっこよくないですか?何をやっても、商店街を歩けば、両さん!って声かけてくれる、あの感じの義理と人情を大事にしてる大人になりたい。ただかっこ良くなるだけは避けたいっすね。かっこつけてると思われるのが苦手だから。
――いま、なりたいものは?
旅人。誰も知らないところとか行きたい。日本じゃなくて、誰も知らないとこ行きたい。友達10人ぐらいと!
――J2のギラヴァンツ北九州時代に同じカテゴリーで戦っていたFC町田ゼルビアや町田って何か印象はありました?
何も(笑)…すみません。サッカーがうまいなっていうぐらい。ただ、俺が町田戦(2021年5月30日)で点決めたのもあって、いいイメージしかないです(笑)。
――どういう女性が好みですか?
みんなかわいいからな〜選べないっす。系統でいうと、大人めな方がよろしいかなと最近は…美人系。
――女性のお洋服の好みは?
女の子のか、難しいっすね、似合っていればいい。どんな洋服のスタイルでも、使い分けができる子がいいですかね。おしゃれが好きな子が。これ、寄り道し過ぎな質問ですよね(笑)こんな質問でいいんすか…!


今サッカーを頑張っている子どもたちに
大悟選手からメッセージ
――最後になりますが、町田でサッカー頑張ってる子どもたちにアドバイスを。
「楽しむ」かな。親がいくら頑張っても、どうにもできないっていうか。結局本人が好きなのが一番ですよね。
今、俺はサッカーが仕事なので、サッカーでしか嫌なことがないんですよ。例えば試合に出れないとか、負けたとか。だけど結局サッカーやってるときが一番楽しいから。だから、やっぱ好きな気持ちが一番大事だと思う。
――いまだと動画で過去の試合がいっぱい見ることができたり、勉強する材料がいっぱいありますけど、そういうのも見た方がいい?
俺はとにかく小さいときは、サッカーが楽しくてしょうがなかったから。家の中でもボール蹴って遊んで、怒られて、外でもボール蹴って他の家に入れちゃって怒られたりしてたし。もしサッカー選手になりたいのであれば、一番は自分がどんだけボール触ってるか。サッカー選手を目指す人は目指せばいいし、お花屋さん目指す人はお花屋さん目指せばいいっすよ。好きなことを本気で目指してね。よく、子どもがいる友達に聞かれるんですよ。どうしたらサッカー選手になれる?って。何もしなくていい。サッカー少年団に入ってるなら、行かせてあげるだけでいいと思うって。とにかくもう自分が好きだったら頑張る。それでしかないっていうか。
ただ、量は大事かなと思う。量より質って言う人もいるけど、俺は量だと思ってる。質より量。効率よく、も大事かもしれないけど、僕らはサッカーをやっているので、量。多分、ここにいる選手みんな、頭がおかしくなるぐらいボール蹴ってきてると思う。今でもね。子どもたちにも負けないぐらい。それは大事かなと思う。
――ちょっとこれサポーター、泣いちゃうやつです… 。
どうぞ(笑)。
余談・東京に来たばかりの大悟選手
いまだに、東京タワーとか見たり、行ったりすると感動する。本当にあるんや!って。俺が小っちゃいとき、テレビでしか見たことないけど、本当にあるんだって。見に行きましたよ。それに大人になって自分の足でこれるようになったんだっていうのも感動した。エスカレーターの乗り方すらわかんなくて、タイミングわかんなかった。この世で一番高い食べ物は回転ずしだと思ってたから。屋久島に回転寿司ないんですよ。鹿児島に行ったときに、もうないけど、ドルフィンポートっていう港にあった回転寿司に行って。そこで“本当に回るんだ”って驚いた。回転寿司と言えば“寿司まどか”なんだけど、こっちにない。電車もないしね。いまだに電車も乗り方が、わけわからん。まず人が多い。ミンギュに渋谷までは座っとけば着くからって、教えてもらいました(笑)。僕が特殊なんですよ。生きてきた感じが!
PROFILE
1999年生まれ。鹿児島県屋久島町出身。M F。背番号99。左利き。サッカーの強豪校、鹿児島県の神村学園で中高6年間を過ごし、2018年清水エスパルスに加入。屋久島からJ1選手が誕生するのは初。2019年J3ギラヴァンツ北九州へ。J3優勝へ貢献する活躍で2021年まで計26得点を挙げる。2022年清水エスパルスへ復帰。2023年よりFC町田ゼルビアへ完全移籍し、J2優勝に貢献。2024年大分トリニータへ期限付き移籍し2025年シーズン町田へ復帰。
6月21日は町田GIONスタジアムへ!
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