「まちだで好きを続ける」|町田市シティプロモーションサイト

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まちだでくらす

自然と手を貸してくれる人があらわれる!
町田は、活動しやすいまち

更新日:2025.04.24

漫画家・アーティスト、『ART55』主宰 せらだきょうこさん

   

町田くんの生みの親が語る、町田くん誕生秘話

町田に生まれ、町田に育ち、町田を愛する、その名も町田伸(のびる)くん。通称「町田くん」は、「まちだ未来ビジネスアイディアコンテスト」から生まれたゆるキャラです。しかも、よーく見ると、顔の中には「町田」の文字が!? そんな町田くんが案内する『町田くんのまちだガイドBOOK』を配信しているのは、作者のせらだきょうこさん。町田くんが出会った町田の『美味しい・素敵・大好き』を詰め込み、町田愛あふれる情報を配信しています。

「町田くん」の原画。町田くんは町田市役所に勤める28歳、森野に在住。両親と妹のつくしは鶴川在住。町田くんの家にはタヌキのたぬこが住み着き、冬子、晴ぺー、夏太郎、秋彦など個性豊かな登場人物も物語を楽しく彩る。

「町田くんは、2020年に町田駅西口の『町田みんなのプラットフォーム』(小田急電鉄、町田市、小田急不動産の展開する街情報発信基地)の公式キャラクターとして登場しました。『まちだ未来ビジネスアイディアコンテスト』に出品する際、『町田に何かないかな。町田、町田……』と紙に書き、町田の文字の下に口を描いたら、『おお、顔だ!』となって、それをアイデアとして持っていったんです」

「まちだ未来ビジネスアイディアコンテスト」は、もともと企業と協業することを前提に企画されていました。町田くんもその一環として生まれたキャラクターでしたが、ちょうどその頃、世の中はコロナ禍に。

「もともとは、お店に声をかけて漫画を描き、広告代をいただくビジネスのアイデアでした。でも、コロナ禍でどこも人を呼ぶことができなくなり、公に応援できるのは無観客試合をしていたFC町田ゼルビアだけ。「こりゃダメだ」と思い、ビジネスはあきらめました。でも、このままで終わらせるのはもったいない!そう思い、SNSを通じて、町田くんによる町田のお天気情報を配信するようになったのが始まりです」

町田のまち情報も徐々にアップするようになり、「今に至ってます」と、せらださん。

最初の頃は、ゼルビアばかり描いていたそうで、せらださん自身もゼルビアの古参サポーター。右から2人目は、町田くんの職場の先輩でゼルビアサポーターの津田さん。

「町田は、住民がそれぞれ自分の生活を大切にしながら暮らしている場所だと思います。外に出ていくというよりは、会社から帰ってきて家でゆったり過ごしながら、ああしたいな、こうしたいなと思い描いたり、家族や友人と一緒に近くの公園に出かけたり。日々の暮らしを大切にしながら、ちょっとしたお出かけも楽しむ。そんなイメージがあります」

せらださん一家が町田に引っ越したのは、夫の強い希望からでした。幼少期に通っていた自由保育の幼稚園に、子どもたちも通わせたいという思いがあったのです。そうして鶴川に居を構えたせらださんは、自身が感じ取った町田のライフスタイルのイメージをベースに、町田の情報を配信しています。

「町田くんの生き様って、あまりぶつかることがない。タヌキの居候も受け入れるような、そんな懐の深さがあります。周りにはいつも友だちや動物たちがいる。それは私自身の理想でもあります」

配信を始めた当初、せらださんは毎日正午に町田くんの投稿をアップしていました。すると、ある日、フォロワーさんから「毎日この時間に町田くんたちがわちゃわちゃしているのを見るのが楽しみです!」というコメントが届いたそうです。

「その世界に入り込んでくれている人がいるんだと思って、うれしかったですね」

現代美術を気軽に楽しみながらつながる場『ART55』

せらださんは、これまで町田の中心部で発表の場が少なかった現代美術作家を紹介するプロジェクト、『ART55』を立ち上げた立役者でもあります。場所は、町田市中町にある無垢の木の什器で溢れたコミュニティ・ワークスペース「COMMUNE BASE マチノワ」内。

ぬくもりあふれる空間が広がるマチノワ。写真右の天井から吊るされた美大生の卒業制作作品が、芸術的なアクセントを加えています。

「地域の人にアートを紹介し、現代美術作家には発表の場を提供したいと思い、立ち上げました。まちで現代美術を楽しむといっても、突然目の前に現れると、普段アートに縁のない人たちは『これはいったい何だろう?』と戸惑ってしまうものも多いと思うんです。でも、現代美術はどんな場所にも飾れるし、もっと気軽に楽しめるもの。それをまちのみなさんに伝えたくて」

現代美術のアーティストには、町田在住の方もいれば、市外の方もいます。町田で55人のアーティストを紹介する、それが、ART55の名前の由来であり、目的でもあります。

「美術館のように広くはないこの場所で、リアルな作品を目にして、『アートってなんだろう』と考える場になればいいなと思っています。そこを出発点に、アートについて気軽に話せる場にしたいですね。現代美術のアーティストは、作品を見にきてくれた人と直接話す機会が意外と少ないんです。友だちが見に来ておしまい、ということも少なくありません。でも、アートに初めて触れる人とお話しすることで、新しい発見や発想が生まれるかもしれない。それが、相互理解に繋がればいいなと思っています」

右はせらださんが20代の頃の点字ブロックを取り入れた作品。『マチノワ』に展示されている。

こうした活動をしていると、自然と手を貸してくれる人があらわれる、「それが町田のすごさだと思います」と、せらださんは言います。

「『ART55』を立ち上げた当初、いろいろな方が見に来てくれて、支えてくれました。人だけでなく、まち自体も支えてくれたんです。何か活動をしていると、誰かが目をかけてくれて、手を貸してくれる。私はなんでもひとりで始めてしまうタイプで、助けを求めないのですが、ひとりではできないことも多々あります。そんなとき、さりげなく手を差し伸べてくれる人がいる。町田は、本当に活動しやすいまちだと感じます」

そんなせらださんが、町田のキャッチフレーズ、「いいことふくらむまちだ」に添えた言葉は、「アート」でした。

『アートで、いいことふくらむまちだ』

せらださんは、「マチノワ」で、この言葉にぴったりくるような場を作り上げています。

PROFILE
1969年、川崎市生まれ。多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。2020年からゆるキャラの町田くんが、町田の天気やまちの情報を紹介するマンガ「町田くんのまちだガイドBOOK」を配信。町田市中町の『COMMUNE BASE マチノワ』では、作品展示やワークショップを開催する『ART55』を運営している。
information
『町田くんのまちだガイドBOOK』
https://machidakun.com/

『アートクロスまちだ』

『ART55』と、町田パリオ3階の『パリコレッ!』ギャラリーがコラボレーション。「クロスロード」を共通テーマに2つのアート展を開催します。

●COMMUNE BASE マチノワにて
『ART55』
「加藤真史個展 Sagamino Fabricー相模野を線で編むー』
2025年5月3日(土・祝)~6日(火・祝)
12:00~19:00
入場無料

●町田パリオ3階 ギャラリー・パリオにて
「honoko個展」
2025年4月29日(火・祝)から5月6日(火・祝)
11:00~18:00
入場無料

撮影/上樂博之 取材・文/小山まゆみ
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